消費される才能…。

■この夏ディレクション&アレンジでお世話になったバンドくんが解散を発表していた。
バンドとなると脳みそがメンバー人数分あるのでいろんな面で継続、否、経営が大変であろう。
ましてプロとして活動していく集団としてのバンド活動なら特に。

■音楽に浪漫を求め夢を求め、その答えを求める為に真摯たる活動始める。しかしながら、様々な現実的経済的問題に直面。機材費、スタジオ代、電気代、食費、家賃、税金、友好費、研究費などなど、資本主義経済世界に身を置いている現実に改めて気付くことになる。音楽的な悩み事だけならば実に幸福的な活動・生き方ではあるが、現実はそうはなかなかいかない。
 今時ライブハウス巡業だけでは、食べるものも食べられるものではない事は周知の事実。<優れた才能>には密の味がするのであろう、関係者が集まり増えてくる。またそのような応援者が無いと今時は活動が出来ないのも事実。関係者、ブレーンが増えれば増えるほど脳みその数が増え要求は増大かつ難解になって来る。関係者たちは商売を求め集うわけなので当然、売れる音楽を求めてくる。音楽作りを目差し始めた頃は純粋だったはずの魂を「商業」に売り渡さなければならなくなる事態に…。
 売れる音楽、ウケる音楽という要求と自分の音楽性とのギャップに困惑。そのうちバンドという小さな社会内でも当然、音楽的方向性相違とか各々の人間の考え方の相違やら問題勃発、結果人間関係までがギクシャク。あとは悪循環無限ループ状態…。
 お金を生み出す事が出来ないアーティストという名前に込めらた消費される悲しき才能を持つ人間たちは大人な世界とのギャップに悩み、やりたい音楽とやれる音楽とのギャップに疲れ果て、好きだけでいれば幸せだった音楽を捨て、楽器を置く真っ当な人生を選択してゆく。。